コミュニケーション力が無いと会社ではずっと苦しい思いをする

25年ほど前、新卒で入った職場で挫折した私。原因の一つはコミュニケーション力が無かったこと、せめてそれを自覚してコミュニケーション力をつけようと努力すらしなかった事だったと考えています。

どうして努力すらしなかったのかというと、社会に出るーーつまり学校を卒業してお金を払う立場から、お金をもらう立場になるという事について甘く考えていた、というか全く考えていませんでした。学校といっても高卒ですが、何というか親元を離れたという事もあって抑圧されていたものからの解放感に浮かれていたのでした。本当は大変なのは入社してからなのに、です。

一つ愚痴を言わせて下さい。学生時代は勉強のできる人、また勉強に励んでいる人をからかって馬鹿にするような風潮がありました。何真面目にやっているんだよ、と。けれども会社に入った途端、仕事のできない人は徹底的に非難されるのです。今から考えれば勉強と仕事は全く違うものですし、甘い考えだという事もわかっています。しかし当時としては、この手のひら返しに言いようのない理不尽な気分を覚えたものです。

幸か不幸か、世間知らずの私は視野が狭く、会社を辞めるという選択肢がありませんでした。困ったであろう会社は、倉庫のような場所の作業職へ異動させる事にしました。異動先に挨拶に行った際、社長が気の毒そうに応対していたのを見て、改めて挫折した事を実感したのでした。

結局その職場には倒産するまで約11年ほど在籍しました。観光業で、業績うんぬんは社員一人の努力などではどうにもならない事だったでしょう。が、当時の私はそういう風に考える事ができずに何となく肩身が狭く、年々状況は悪化するばかり。無論、転職という考えもありましたが、これといったスキルも無く、コミュニケーション力も無く、何より最初の挫折体験から自信というものを完全に無くしていたため、現状に妥協するしかありませんでした。

私の挫折体験から言える事、それはコミュニケーション力が無いと会社という組織ではずっと苦しい思いをする、という事です。組織というものが人と人とのつながりで構成されている以上、コミュニケーション力は必須です。倉庫や工場などはコミュニケーション力は必要ない、というようなネットの記事をたまに見かけますが、そんなものは嘘っぱちです。少なくとも私の経験した職場(倉庫、工場)で仕事をする上で、コミュニケーションというものはとても重要なものでした。