ノスタルジア

今まで4回ほど引っ越しをしています。引っ越しなんて珍しいことでも何でもないでしょうが、自分の人生の中では結構大きな出来事です。特に老朽化で永遠にお別れとなった生家の事は13年以上たった今でも思い出しますし、たまに夢に出てきたりします。生まれたところに一生住み続ける事ができたのなら、ノスタルジックな気分というものはそう味わう事も無かったのかもしれません。

自分でも女々しいと思いますが、辛いことがあった時に生家のあった場所まで赴く事があります。といっても車で30分くらいの所なのですが。もちろん生家は無く、新しい家が建ったわけでもなく、夏頃だと草ボーボーの空き地になっています。 

この辺りが茶の間で、トイレで、風呂で、ここらで両親と川の字になって寝ていたものだなと感慨に耽ったりします。本当に女々しい事よ! 詩人でもないから、この何とも言えない、やりきれない感情をどう表現していいかわからないし、郷愁に浸る事が良い事なのか悪い事なのかもわかりません。ただ、変わらないものは何一つない、という哲学じみた言葉に同調するだけなのです。

どうかこの場を借りて、昔の生家の写真を載せる事をお許しください。先の記事の末尾に載せている写真も生家のものなのです。