物流倉庫(物流センター)で働いていた時の話

今週のお題「やったことがあるアルバイト」

物流倉庫、物流センターで働いていた頃の話。業種は運送、旅行、卸売(問屋)と幾つかありますが、基本的な仕事内容はほぼ同じです。

大切なことを書きます。倉庫はとても危険です。フォークリフトという荷役車両が走っていたり、荷物が多いため死角ができて人同士、人と車両の接触事故が起きたりします。もし倉庫の求人に応募するならば、なるべく研修や安全講習などがある会社が良いでしょう。(たまに研修が無い事をわざわざ求人内容に書く会社がありますが、どういう意図なのでしょうか?)

そして面接の時などに職場を見学させてもらい、フォークマン(フォークリフト作業者)がヘルメットをかぶらないで作業しているような会社は安全を軽視しているので絶対に避けましょう。時間が無いから無理だと言われたり、そもそも実際の職場を求職者に見せないのは論外です。

倉庫の仕事

だいたい仕事内容ごとに担当者が付きます。一つの作業しかしない人もいれば複数の作業を担当する人もいます。

  • 荷物の受付・入荷
  • 仕分け・検品
  • 荷物の片づけ
  • 出荷作業
  • 出荷された荷物の仕分け・検品・梱包
  • 棚卸し

私が勤めていたところは荷物を持ち込む人はトラックドライバーがほとんどでした。運送会社名、運転手名、持ち込み時刻などを記入してもらって入荷作業開始。荷物は手降ろしか、パレットに乗った荷物はハンドリフトフォークリフトで検品をする場所へ運びます。手降ろしはトラックドライバーの仕事なので基本的に倉庫の人間はやりません。フォークリフトによる運搬は倉庫の人間がやる事が多いです。

入荷した荷物を種類別に分けたりする、仕分けが必要な事があります。荷物の重量・種類の数によってキツさが変わってきます。求人に応募する場合はメインに扱う荷物は何なのか、調べておきましょう。検品は伝票と照らし合わせて個数・種類が合っているか、傷や破損はないかをチェックする作業です。女性が専門で担当している事が多いような。紙のリストでチェックするのは時代遅れで、多くの場合PDAなどの携帯端末でやっているようです(私は携帯端末を使った検品は未経験)。

荷物の片づけは台車かフォークリフトで棚(ラック)に格納する事です。もしくはバンニングと言ってコンテナに積み込みます。棚にはバーコードがあって、商品のバーコードと合わせて携帯端末でスキャンする事でサーバーに格納場所を記録保存します。

出荷作業はお客様からの注文に応じて、倉庫内から荷物をピッキングする作業です。これも台車やフォークリフトで行います。携帯端末から目的の荷物のある棚の場所を指示されたり、伝票を見て棚から荷物を取ってきたりと方法は様々です。紙のリストでピッキングするのはやっぱり時代遅れでしょう。

出荷された荷物を納品先の店舗ごとに仕分けたりする作業があります。ここでも荷物の重さや店舗数などによって苦楽が左右されます。そして出荷された荷物も検品。お客様の所へ行く荷物のためか、入荷時の検品より重要度は高いようです。検品後は梱包などの荷造りをする事があるようです。私がやったのは荷物をパレットにまとめてラップを巻く作業くらいです。

棚卸は倉庫にある商品の在庫がサーバーに記録されている個数と合っているかチェックする作業です。一か月くらい~毎日と扱う荷物により頻度は様々。

倉庫の人事体制

私が勤めてきた倉庫の人事体制は大きく分けて2つ。1つは大ボスとその取り巻きみたいな役職が数人いて、現場のボス(マネージャー・正社員)が数人、そして残りの多くがアルバイト・パート・派遣社員などの非正規労働者というパターン。もう一つは大ボスがいて、残りはすべて非正規労働者というパターン。

非正規にとって楽なのは前者の方です。マネージャーの指示に従っていればいいですし、何かしらのトラブルが起きた時もマネージャーに報告できる安心感もあります。ただ、指示に従うだけなのはつまらないし、自分の頭で考えなくなるので成長どころか退化するような気がします。一生その職場で同じ仕事をするならいいでしょうが、転職するとなると大変です。

後者のように現場にマネージャーがいないと非正規のパートだけで運用しなければならず、その輪に入らなければ仕事をやっていく上で支障をきたします。倉庫にコミュニケーション力は不要などとネットの記事にたまに書いてありますが、嘘です。一人で黙々と仕事をしていればいいというわけではありません。あまり上からの指示に従ってばかりいるのは嫌だ、という人にはいいかもしれません。自分たちで会社を運営しているというやりがいみたいなものがあるのでしょうか? 

倉庫の特徴・あるエピソード
  • 立ち仕事メインで休憩時間以外に座る機会はほぼありません
  • 夏は暑く、冬は寒いです(冷蔵・冷凍倉庫を除きます)
  • 検品、格納、ピッキング、仕分けなど、ほとんどの作業でスピードが要求されます
  • 感情的な人、暗い人、コミュニケーション力が無い人は一定数います(私含む)

長時間座っているのも大変なのでしょうが、立ち仕事もキツいのではないでしょうか。私は長年やっているせいで何ともなくなりました。プラスに考えれば、立って体を動かした方が健康的でいいのではありませんかね。もちろん限度というものがありますが。

夏暑くて冬寒い、当たり前の事を書いていますが、身をもって体験するとなると……。フォークリフトに乗る場合はヘルメットをかぶらなくてはなりませんので、夏は大変です。特に近年の夏は異常な高温になるので、熱中症対策は万全に。

のんびり屋の私にとってスピードが必要なのはとても辛い事です。単純で単調な作業なので、できる限りスピードを上げるくらいしか伸びしろが無いからなのでしょうが、時間に追われるのは大変です。個人のピッキング時間とかが携帯端末に記録されており、営業成績のように掲示板に張り出される会社もありました。モチベーションの一つとプラスに捉えが方が良さそうです。

最後に私が倉庫で見てきた、そこで働く人間について。残念ながら私は悪い印象の方が記憶に残りやすいらしく、嫌な人が多かったというのが正直な所です。しかしこれは記憶の歪みで、よく思い出せばみんな良い所があるものです。

スピードが必要だったり、フォークリフトを運転するとなると色々と危険があったり、暑かったり寒かったりとストレスになる要因が多い事もあって感情的になる人もいます。というかなる方が人間として自然な気がしてきました。

私がトロトロ仕事をしていると、はるか遠くからフォークリフトに乗って怒鳴り込んできた人がいてびっくりしました。わざわざ来て戻る方が時間ロスな気がしましたが、明らかに私に感情をぶつけるのが目的でした。「入社して〇ヵ月経つんだからいい加減覚えろ!」という捨て台詞と共に去っていきましたが、早くやるためのやり方は教わっていません。あまり具体的に書くとアレなので曖昧に書いてますが、要するにこういう理不尽な事もありますよ、という事です。まあ多少理不尽な事というのはどこの組織でもあるのかもしれませんが。

こんな事を書くと倉庫で働く気が失せるかもしれませんが、この怒鳴り込んできた人というのは私に色々と仕事を教えてくれたり、親切にしてくれたりした事もある人なのです。だからこそ極端すぎて印象に残っているのかもしれませんが、組織で働くというのも人間関係を含めて大変なものです。